用語集

隠世(かくりよ)(地名)

あやかしが棲まう、異世界の名称。
中心地にある都と八つの土地からなり、多彩な自然と多様な文化で溢れている。
あやかしたちは皆、人間と同じように生き生きと日々の生活を営んでいる。

現世(うつしよ)(地名)

人間が暮らす、いわゆる現実世界の名称。
人間の世界ではあるが、あやかしたちも密かに存在しており、見える人には見える。
隠世などの異世界と行き来するのは特殊な事例を除いて難しく、
大金を準備して通行札を手に入れたうえで、然るべき手順を踏む必要がある。

あやかし(種族)

鬼や九尾の狐、雪女、天狗、河童など、“人ならざるもの”の総称。
千年以上生きる大妖怪もいれば、愛らしい人畜無害な連中もいる。
基本的にはみんな夜型で、夕方頃から活動しはじめる者が多い。

天神屋(てんじんや)(場所)

隠世の北東に位置する“鬼門の地”に店を構える老舗宿。
長い歴史を持ち、隠世一の温泉を目当てに訪れるあやかしは多い。
豪華客室“大椿の間”や、一年で十二種の品書きを持つ“天神会席”など多くの名物を持ち、
“異世界旅立ち贅沢プラン”などの宿泊プランも需要に合わせて設けられている。

鬼門中(きもんちゅう)鬼門(きもん)(場所)

鬼門の地にある天神屋、その中心にある、
“何をやってもうまくいかない”といういわくつきの場所。
これまで多くの従業員たちが、なにか商売が出来ないものかと事業を展開したが、
駄目だった。閑静な和式の中庭に、古民家が佇んでいる。

あやかし(ごの)みの(あじ)(設定)

あやかしは甘党が多く、料理についても甘めで薄口の味を好む。
現世での九州地方の味付けに近く、影響を受けた料理も多くある。
これはかつて出島の貿易時代に、現世と隠世を行き来していたあやかしたちが
こぞって砂糖を買い付け、そのときに伝わったとされている。

朱門山(しゅもんざん)(地名)

隠世の西に位置する天狗たちの住む山の砦。
天狗の一族は“天狗の団扇”を始めとする多くの宝を持ち、
それを守るため厳しい戒律の元に修行を積んでいる。
その分保守的な地ではあるが、天狗たち自身は酒好きで宴好きな側面も。

天狗(てんぐ)団扇(うちわ)(道具)

松葉によって葵に与えられた天狗の宝のひとつ。
一振りすると強力な突風を生み出し、相対する相手を吹き飛ばす。
鍋敷きに使うにはあまりにも高価な、隠世唯一の品物。

八葉(はちよう)(設定)

隠世をなす八つの土地を治めている、八人のあやかしの実力者。
及びその者が所属する一族や地名、経営する事業や店を指して言う。
現在の八葉は、氷人、鬼神、龍人、小豆洗い、犬神、一反木綿、天狗、文門狸の八人。
天神屋の大旦那は北東の地を治める鬼神の八葉である。

椿(つばき)(かんざし)(道具)

大旦那が葵に送った髪飾り。
まるで生きているかのように形を変える珍しい鉱石“紅水晶”でできている。
簪の先にある椿の蕾は、ゆっくりと花咲いていき、
やがて散るまでが葵の借金返済期限とされる。

宙船(そらふね)(設定)

隠世の交通手段のひとつ。妖力により空を飛ぶ船。
長距離の移動に用いられたり、崖に囲まれた天神屋を訪れる客が使うことも多い。
また天神屋が保有する宙船もあり、空中宴会を行う遊覧船“空閣丸”、
小型で最新の“海閣丸”、大旦那の個人宙船“天神丸”などがある。

あやかしのお(めん)(道具)

お面をかぶることで自身の正体を隠し、弱点を知られることを避ける効果を持つ。
その一方で、あやかしたちにとってのお面は、人間にとっての帽子のように、
ファッションとしての意味合いも強い。

妖都(ようと)(地名)

隠世の中心にある、栄華を極めた都。
八葉をまとめあげ、隠世を統べる妖王と、その一族が住む神殿がある。
あやかしの中でも上流階級にあたる貴族たちが多く暮らしているほか、
高級料亭や芸妓屋、最新の流行を抑えた土産物屋などを目当てに訪れる観光客も多い。

妖都切子(ようときりこ)(道具)

妖都で人気の硝子屋で扱っている商品。
隠世ではまだ硝子は珍しいが、現世から伝わった工芸品として独自に洗練され、
食器などが流行している。

八幡屋(やはたや)(場所)

隠世の一反木綿たちが営む大呉服屋。扱う反物は少々割高。
八葉の一角でもあり、金も権力も持っているため、敵に回すと厄介な相手。
そんな環境で甘やかされて育った跡取りも、女好きのバカ息子として有名だったりする。